第8章 パートナー

 

今回は第8章を読んだ。

 

この章の最初で、ビルはまた取り分についてポールに提案をする。これまでは六対四であったが、六四対三六にしないかと言ったのだ。この時も、ポールは驚きつつもこの提案に賛同する。

ここまでお金に関してビルが言ってくることに私は驚いた。もちろんお金は大切だが、ここまで読んできた中で、ビルはお金に執着するような人間に見えなかったからだ。

 

1977年1月号の『パーソナルコンピューティング』誌で、ポールは「パーソナルコンピュータはいずれ、持ち運びのできるようなものになるだろう。」と述べている。また、『マイクロコンピュータ・インタフェース』誌では、遠くに存在するコンピュータどうしが接続され、緊密に連繫し合うコンピュータ社会の到来をすでに予想していた。

当時はまだ技術もなかったのに、これほど正確に未来を予測していたというのに驚いたし、すごいなと思った。また、自分たちのやっている事業が、そういう未来に繋がっていくだろうという思いがあったからこそ、これだけ努力してやってこれたのかなと感じた。

 

章の後半には、ビルの人間性について書かれている部分があった。

ビルは、他の社員と揉めることが多かったそう。原因の一つに、自分と同じような働き方を他の社員たちにも求めたということが挙げられる。彼は、自分を限界まで働かせるだけでなく、他人にも限界まで働くよう求めた。休日になると、誰が出勤して誰が出勤していないかを確かめて、熱心な社員とそうでない社員を見分けていた。そんなことをしなくても、懸命に働く社員ばかりだったが、ビルは満足しなかった。ビルはリフレッシュなど全く必要なく、他の社員もそうだと思っていたみたいだ。

また、何か物事を決めるときにはとことん議論しあって決めようとした。意見の対立は歓迎。反論されると喜ぶ。相手を煽ったり貶めるようなこともよく口にしたそう。そういうのも、問題について深く掘り下げて考え、最も良い解決策や案を出すためのものだったみたいだが、やり方がきついなと思ってしまった。

意見の衝突は、ポールとの間でも起きたそう。大声で言い合い、一回の議論が何時間にも及ぶこともあった。

ポールはこんなビルの野蛮なやり方はよく思っていなかったみたいである。

 

次は9章を読んでいく。